東京移住日記

ガンダーラを探して

どうして九州が男尊女卑になってしまうのか

九州の男尊女卑について、これまで述べてきて、

特異性を述べてきているだけであった。

それだけじゃ説得力がないので、

そこでどうしてそんな状況になるか考えてみた。

 

というか、そもそも九州は女子の進学や給与水準において

男尊女卑なんだろうか。

1:女子の進学率について

下記のリンクを見ていただきたい。

こちらは4年制大学の進学率を示したものである。

女子の進学率については、軒並み低いが、男子も低い。

ジェンダーの差で比較すると、鹿児島においてジェンダー差が突出してるものの、

他の都道府県についてはさして全国平均と変わらないため、

鹿児島を除き、ジェンダー差は全国平均といえよう。

データえっせい: 県別・性別の大学進学率(2015年春)

 

2:県市町村会議員・都道府県職員・管理職に占める女性の割合

議員では軒並み九州は低いが、他の項目では決して女性が

少ないわけではない。鹿児島は確かに下位の項目が多いが、

他の都道府県では都道府県平均、もしくは上回っている

項目も多い。 

http://www.gender.go.jp/policy/mieruka/pdf/map_all.pdf

これは、地元に残る人のうち、優秀な人は女性が多いという

特徴があり、東京から見て遠隔地である九州には

比較的女性が残りがちであるという事情があるとは思う。

ただ、起用自体を見ると決して女性の起用が少ないわけではない。

 

3.収入

一番下のページにある表に賃金格差がある。

九州は佐賀を除くすべての都道府県で平均値66.1を上回っており、

賃金格差があると言える。近畿地方も高い。

 https://www1.doshisha.ac.jp/~kmiyazaw/undergraduate/fertility.pdf

ここでは収入において男尊女卑があるということができるだろう。

 しかも、男尊女卑がある上に九州の年収は非常に低い。

 

下の年収ガイドを見ると、

福岡県が22位にランクインしているが、他の都道府県は下位に

ある。

www.nenshuu.net

これを鑑みると大学進学を認めたとしても、地元での非正規労働の仕事についているのではないかというのが推測である。

 

また、女性の管理職が多いというが、その中にどれほど九州出身の

女性がいるのだろうというのは個人的な興味である。

(公務員などはほぼそうだろうが・・・)

 

従って、みかけの進学率は低くないが、女子にそれが生かされない仕組みがあると推測できる。これは私が就職で体験した、総合職に女性を取ろうとしない風潮である。リクルーターに、女の子だから採用してあげられない、ごめんなさい、と言われた女性が周りにかなりいた。

 

4.九州の婚活市場の熾烈さ

私は文化的な要因も合わせ、これも九州で男尊女卑が未だに残っている

大きな原因なのではないかと思っている。

結婚適齢期の男女比は、九州各県で女性が多い状況である。

20〜30代男女比 [ 2012年第一位 奈良県 ]|新・都道府県別統計とランキングで見る県民性 [とどラン]

これは未婚・既婚の別がないが、未婚者で結婚の意志があるという条件を付け加えると

ameblo.jp

見事に九州各県が上位にあがる。近畿地方も多い。

 

となると、女性の間で熾烈な男性をめぐる状況が起き、

サービスが過剰になる。それが男尊女卑を生んだのではないだろうか。

かといって近畿地方では男尊女卑がひどいという話は聞かないし

(関東に比べれば男尊女卑の風潮は残ってるだろうが)

それならずっと一人でいればいいという女性や、女性同士で仲良くすればいい、

という女性が出てきてもおかしくない。

また、じゃあ東京に行くわという女性がもっと増えてもおかしくない。確かに経済的要因ゆえに、親を支えなくてはいけない局面や東京での就活の費用が出せないことも大きな要因として考えられるが、私の周りではそもそも東京への転出を考えない人が大半である。

それが生まれないのが、文化的要因なのではないだろうか。

 

5.文化

ただ、これは直接的に数値的なもので表せないのが辛い点である。

ただ、今でも九州は男尊女卑があると言われている。

要因の1つが女性余りによる女性の過剰サービスであるとはいえるだろうが、

同条件の近畿地方ではそのようなことは聞かないため、

何が起こしているか、というと文化だといえるであろう。

 

私が九州にいたとき、飲食店で男性が優先されることが多々あった。

また、経済的には中の上位の一族出身だと思うが、やはり長男(叔父)は特別扱いで

必ず大きなおかずが置かれ、まったく料理などは手伝わなかった。

祖父も母におかずを出さないことがあった。

それなりの学校に通ったが、立派な仕事を持っているOGの先輩は、専業主婦になるのが一番勝ち組、金持ちの男性と結婚しろというありがたい話をするため、仕事とはかくも嫌で辛いものなのかと思ったりした。

幸いにも私自身は紆余曲折を経て、無事に進学、東京に就職することができた。

ただ、こんな環境なので、かなり男尊女卑を内面化してたと思う。母のおかずがない件も、母の食が細いからだと思っていた。

 

また、先にあげた九州の女性は東京に出て行かない現象だが、

これは親が東京に出さないことに起因している。

やはり、九州から東京はかなり遠く、心理的に東北地方より厳しいものがあるんだろう。

 

また、九州の人は地元愛が強い。

gendai.ismedia.jp

近畿地方も強い。これが近畿地方の女性余りの多さにつながっているのであろう。

たとえ自由が待っていたとしても、地元愛ゆえに出れないのであろう。

(九州の場合、雇用が少なすぎてUターン就職も難しいから東京に行けば自由になれるよ、と教えてあげられる人材も少ないんだろうけどね)

私だってずっと地元に残りたかった。ただ、地元企業は「女の子は取ってあげられない、ごめんね」が多発していたため、就職したとしても辛い思いするだろうなという予想がついたのと(まあ私じゃ無理だとは思いますが)

就活の途中でもっと自由に生きていけることを教えてくれた他地方の仲間がいたため、よそに出てみたくなり、東京で就職した。

 

文化を数値で表現するのは難しいが、引き続き意識調査などを探し検討していきたい。

(自分で出来れば一番なんだけど)